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  • 執筆者の写真Jin Hirose

オフィスのフリーアドレスとは

更新日:2022年6月17日

フリーアドレスとは、オフィスに社員の固定席を設けずに自由な席で仕事を行える仕組みのことです。

執務デスクを固定化しないことにより、コスト削減やコミュニケーションの活性化が期待できます。


コンサルタントや営業など基本的に社外で活動する社員を多く抱える企業が

ファシリティコスト削減のために1990年代に推進した制度ですが、あまり定着しませんでした。

その理由としては、IT技術が未発達であったため、各自で紙資料の保管が必要であったり、

部門内のコミュニケーションのために固定席が必要だったことが挙げられます。


しかし、昨今の働き方改革の影響によってフリーアドレスが再び注目を集めています。

IT技術の発展によりノートPCなどがあればどこでも仕事ができます。

働き方改革の代表例であるテレワークや在宅勤務が推進されることで、

オフィスに社員の固定席を設ける必要性が薄れてきているのです。





フリーアドレスが抱えるデメリット

フリーアドレスのデメリットはIT技術などによって解消されつつありますが、

それでも解消しきれないデメリットはまだいくつか存在します。


どこに誰がいるかわからない

席を自由にすることによって、どこに誰がいるのかわからないという事態が発生します。

固定席であれば座席表を元にどこに行けば誰に会えるかわかりますし、

不在ならばその席にメモや資料を残せます。


しかし、フリーアドレスになると誰がどこにいるか決まっていないので、

どこにいるのか聞いたり、社内を探し回ったりする必要があります。


探し回った結果、その人が外出していたり、休みだったりすることも…。


制度が浸透しない

フリーアドレス制度にすることによって社内の他部門間のコミュニケーション活性化を図っても、上長からの指示を受けやすいように部署で固まってしまったり、

働く場所がコロコロ変わると落ち着かないということを理由に同じ席を選びがちになったりします。

また、「あの席はいつも○○さんが使っているから座りにくい」など

縄張りのようなエリアが発生してしまうことも…。


その結果、固定席と同じ状態になり、コミュニケーションが活性化しない場合もあります。


集中の妨げになる

社員の中には、

「働く場所が変わると集中できないから固定席がほしい」

「オープンスペースになると周りの音などが気になる」

「周りにいつもと違う人がいると気になって集中できない」

という人もいるでしょう。




フリーアドレスのメリット

これらのような解消されにくいデメリットはまだ残っていますが、

それを加味してもたくさんのメリットがフリーアドレスには存在します。


スペースの削減

固定席がなくなることによってコスト削減効果が期待できます。

例えば、営業や客先常駐が多い企業では、オフィスには社員のデスクを全員分用意しているけれど、ある時間帯は約半数の社員がデスクにいないということがよくあります。

このような場合、フリーアドレスにすることによって実際に出社している人の分だけ席が必要となり、スペースの削減が可能となります。

その結果、余分な什器購入を抑えることはもちろん、不要なスペースを削減でき、家賃や電気代などのコスト削減につながります。


コミュニケーションの活性化

フリーアドレスにすることによって、様々な部署の社員が隣りの席になることが予想されます。

隣り同士になると自然と会話が発生し、コミュニケーションが活性化するでしょう。

これにより、想定していなかった新たなコラボレーション事業のアイデアが生まれるかもしれません。

また、異なる部署同士のみではなく、企業全体での一体感が高まることも期待できます。


レイアウト変更が容易に

固定席の場合、レイアウト変更の際はデスクと一緒に個人の荷物も移動させて必要があり大変です。

しかし、フリーアドレスならばこの手間は発生しません。




フリーアドレス導入に失敗する企業の特徴

メリット・デメリットの混在するフリーアドレスですが、導入に失敗する企業も多々存在します。

では、どのような場合にフリーアドレス導入に失敗しやすいのでしょうか。


書類の取り扱いが多い

まず、書類の取り扱いが多い企業はフリーアドレスの導入に失敗する傾向があります。

フリーアドレスでは退社するときに、自分が使っていたデスクの上をきれいに片付けてから帰る必要があります。紙媒体の資料をたくさん取り扱っている人は、始業・終業時や外出時にいちいち所定のロッカーなどに出し入れする無駄な手間が生じてしまいます。

また、個人情報や機密性の高いデータを紙で取り扱う場合もフリーアドレスに向いていません。


在席率が高い

在席率が高い部署もフリーアドレスには向いていません。

経理や法務などのバックオフィスは落ち着いた環境で作業したほうが生産性が高くなりますし、在席率が高い部署であるためオフィススペースの削減効果も期待できません。




フリーアドレスをうまく取り入れるためには

働き方改革によって最近は再びフリーアドレスに注目が集まっています。

昔はデメリットが目立ったためあまり定着しませんでしたが、IT技術などの発達によって

フリーアドレスのメリットは固定席での働き方に対して相対的に増大しています。


単にハードウェアとしてフリーアドレスを導入するだけではなく、

ソフトウェアとしてITによるペーパーレス化を促進し、テレワークなどの多様な働き方を推奨する人事制度を加えることによって、フリーアドレスの効果は高まり、定着もしやすくなるはずです。


Jin Hirose

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